夜の街患者と新型コロナの公務災害認定
2020年7月29日、コロナ感染者が増加する中、大阪の職場へ出勤した。
私が「今朝の電車はどうだった」と聞くと、看護師さんは「リモートワークが多くなったためか電車が少しすいてきたが、若い学生が電車の中でマスクをせず、しゃべりつづけている」と言う。
私が「コロナ病院は、どうなっているか」聞くと、看護師さんは「コロナ病院(ECMOなど重症者も扱う病院)に、夜の街関連の若い元気なコロナ感染者が入院している。マスコミは"コロナ療養ホテルはひっ迫していない"と報道しているが、違うのではないか。
コロナ病棟に勤務する20代の若いナースは『ホストクラブのホストが入院し、外に出られないので"飯(めし)が不味いから、弁当を買ってきてくれ"、"あれを買ってきてくれ"、"これを買ってきてくれ"と言ってくる。キャバ嬢も同じだ。看護師はコロナ患者の小間使いではなく、看護をするのが仕事だ。
夜の街関連の人は優遇されているのに、私たちは優遇されていない。何もしない人が優遇され、頑張っている人が優遇されないのはおかしい』と言っている。新型コロナに対応している医療従事者のモチベーションが下がってきている」と言う。
私は「夜の街関連の若くて元気なコロナ患者は、病院ではなくホテルで隔離すべきだ。私も大阪のコロナ療養ホテルは、ひっ迫していると思う。先週、PCR検査陽性の若いコロナ患者は、コロナ療養ホテルに入るのに3日以上待たされた」と答えた。
午後0時、大阪の街は灼熱の太陽の下、全員がマスクを付けていた。ビジネスマンのコロナに対する意識は高い。「鮨ダイニング龍
表示」で、950円の"おまかせ握り8貫
表示"を食べた。カウンターの前壁面は、洋酒と日本酒が寝かされた状態で棚にぎっしり入りシャレており、店は女性客で満席になっていた。
午後、看護師さんに「新型コロナ感染で死亡された北播磨総合医療センターの院長が、公務災害認定された(7月28日神戸新聞)。先生は私より2年上で、先生が神大2内(馬場茂明教授)、私が阪大2内時代からの知り合いだ。神大老年内科教授から、三木市民病院と小野市民病院が合併した北播磨総合医療センターの初代院長に就任されていた。兵庫県での肥満や糖尿病の研究会では、気軽に話しかけて来られる温厚な先生だった。
院長は、今年3月5日に外来で患者さんの診療をした後、10日にPCR検査陽性となり、重症化したため神戸市内の病院に転院され、4月25日亡くなられた。仕事中に感染したとして公務災害に認定された。
大阪府の開業医も2人、患者さんから新型コロナに感染し死亡されている。医師の新型コロナによる人口当たりの死亡率は、一般の人に比べ数10倍になる」と話をした。
看護師さんは「先生も歳なんだから、気をつけて下さいね。これから、遠方から来る患者さんは、オンライン診療にしましょう。その方が、患者さんにとっても電車内での感染リスクが少なくなる」と気遣ってくれた。
コロナ病院のモチベーションを上げるには、コロナ病棟で頑張っている医療従事者を優遇する必要がある。新型コロナで亡くなられた先生が、公務災害に認定され、本当に良かった。