菅義偉出馬表明と郷土愛・地方活性化

2020年9月 4日

    202092日、菅義偉官房長官は国会内で記者会見し、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選に立候補することを表明された。

午後5時、菅義偉氏は「私の原点について、少しだけお話をさせて頂きたい。雪深い秋田の農家の長男に生まれ。地元で高校まで卒業しました。卒業後すぐに農家を継ぐことに抵抗を感じ、就職のため東京に出て町工場で働き始め、2年遅れで法政大学に進みました。

秋田の農家で育った私の中には、横浜市会議員時代も、国会議員になってからも、地方を大切にしていこうという気持ちが、脈々と流れています。活力ある地方を作っていきたい思いを、常に胸に持ちながら、政策を実行しています。

地方から都会に出ている人達の多くは、生まれ育った故郷に何らかの貢献をしたい、また故郷の絆を大切にしたい、そうした思いを抱いているに違いないと考え、かねてから自分の中で温めていた"ふるさと納税"を成立させました。また、官房長官として力強く進めてきた"インバウンドの拡大"、"農産品の輸出促進"の取り組みも地方経済をもっと元気にしたいとの思いからでした」と述べられた。

私は、雪深い広島県庄原市に生まれ育った。2005年、庄原に帰省した時、庄原格致高校のクラスメートと、どうしたら地方を活性化できるか話をした。友人は「今の地方の国会議員は2世議員や3世議員が多く、東京生まれ東京育ちで、田舎のことを知らない。その地方で高校卒業まで、少なくとも中学卒業まで育った人しか、その選挙区で立候補できなくすれば、地方を知った国会議員が選ばれ、地方が活性化される」と言った。それ以来、地方活性化のためには、高校まで地方で育った人が国政を担うとよいと思ってきた。

今の財界は、地方の高校出身で、名門大学を卒業した人が中心となっている。私は常任理事として、沖原隆宗理事長(UFJ銀行頭取、三菱UFJフィナンシャルグループ会長)のもと、年3回の理事会 表示と年1回の評議員会を、ホテル阪急インターナショナルで開いてきた。

評議員は大企業の会長が多く、沖原頭取に会いに東京から飛行機に乗って日帰りで来られる。理事・評議員は15名で、履歴をみると慶応大が一番多く、早稲田、東大、京大、阪大の名門校を卒業されている。

会議の後、フランス料理フルコースを食べながら雑談していると、出身地がわかる。昨年、堺市百舌鳥古市古墳群が世界遺産に登録された時は、松江の高校出身の方が「松江城も世界遺産にしたらいい」と話されると、松本深志高校出身の方は「松本城も世界遺産にしたらよい。初めに、姫路城だけを世界遺産にしたのが失敗だった」と言われた。沖原隆宗理事長も山口県柳井高校出身で、地方の高校出身者は郷土愛の強い人が多い。

テレビでは政治評論家が「菅政権は安倍内閣の継承だ。新しいものは何もない」とコメントしている。地方にとって、東京だけで育った総理と、地方で育った総理では全く異なる。

政治家は「1に親、2に本人」で、国のトップは東京生まれ東京育ちの2世・3世議員がほとんどだ。財界は「1に本人、2に学歴」で、大企業トップは人口の7割を占める地方出身者が多い。高校まで地方で育った菅義偉氏に、地方活性化を期待したい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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