ホームステイの5連休と医師・看護師不足
2021年5月1~5日は、新型コロナ感染拡大による3度目の"緊急事態宣言"のため「ホームステイの5連休」となった。
5月1日午前11時、自宅周辺を散歩した。2600歩と、昨年のゴールデンウイークの3000~4000歩に比べ少ない。2005年から横ばいだった私の脚力が、この1年で一気に低下している。毎週金曜日の太極拳、休日の京都・奈良への観光、毎日仕事帰りのショッピングセンター巡りが、新型コロナでなくなったためだろう。フレイルになるのが心配だ。
5月2日午後9時40分、Kテレビの"Mr.サンデー"で、「病床数世界一なのに医療ひっ迫日本だけ?」をしていた。
番組では「先進主要国の人口1000人当たりの病床数は、日本が13床とドイツ8床、フランス5.9床、イタリア3.1床、米国2.9床、英国2.5床に比べ断然多いのに、日本だけが医療ひっ迫しているのは何故か。
南奈良総合医療センターの松本昌美院長は"一番問題になってくるのは、看護師さん、医師の問題だ。病床はあっても、医師や看護師が少ないので、コロナ病床を増やすことは難しい"と言われる。
日本は海外に比べ、病床100床当たりの医師数・看護師数が大幅に少ない。OECD 2020によると、病床100床当たりの医師数は、米国91.1人、英国120.1人、ドイツ54.0人、フランス53.7人に比べ、日本は19.2人と著しく少ない。病床100床当たりの看護師数も、米国417.0人、英国315.5人、ドイツ165.7人、フランス182.6人に比べ、日本は90.6人と少ない。
新型コロナ対応の確保病床数は3万272床で、全体の病床数159万5146床の約2%(厚労省2021年1月末)と圧倒的に少なく愕然とする」と放送していた。
市立伊丹病院時代の1993年、私の受け持ち患者数は16人だった。病床100床当たりの医師数にすると6.3人になる。民間病院の方がスカウトに来られ、1.5倍の給与を提示されたが、受け持ち患者数は30人と多かった。病床100床当たりの医師数にすると3.3人になる。別の民間病院の方からは、2.3倍の給与で受け持ち患者数40人を提示された。病床100床当たりの医師数にすると2.5人になる。
市立伊丹病院では、午後8時まで働き、残った仕事は翌日や土日に回していた。病院の仕事量に対して、医師の絶対数が不足していることは明らかだった(メタボ教室第52段「医師不足と自治体病院」)。
看護師さんも不足している。1993年当時の病棟の看護師さんは、日勤から準夜勤への申し継ぎの後、午後8時頃まで残ってカルテの記載をしていた。大阪府、兵庫県、京都府の私立大学看護学部授業料は年間160万円と文科系学部に比べ高く、4年間で640万円必要になる。看護師になりたくても、金銭面で看護学部に行くことができない学生も多い。国は私立大学看護学部に助成すると、看護師不足は減少する。
新型コロナで医療がひっ迫し、緊急事態宣言となっている。病床数世界一なのに医療がひっ迫する大きな要因は、日本には医師や看護師が少なく、病床を有効に使えないことによる。日本は医師数、看護師数を増やすことが必要だ。