ワクチン集団接種・個別接種の医師確保
2021年5月17日、大阪で新型コロナワクチン大型集団接種(大阪国際会議場1日5000人、インテックス大阪1日3500人)の予約が開始された。
午前11時、商事で「安全衛生委員会」のテレビ会議があった。私は「大阪の新型コロナ死者数は1958人で、東京を抜いて全国最多となった。大阪の昨日の感染者は620人で、5月1日の1260人の半分になった。大阪はピークアウトしたかもしれないが、病床はひっ迫し、インド株も入って来たので、これからも感染しないよう十分気を付けて下さい。
ワクチンについては、7月末までに85%の自治体で高齢者の接種が終了する。今日から、大阪国際会議場(防衛省)とインテックス大阪(大阪市)でのワクチン接種予約が始まった」と発言した。
医師のバイトは、時給が高い方に流れる。集団接種する医師が不足していたのは、時給が民間医療機関のバイトの時給の3分の2と低かったことが大きい。大阪市は、大幅に時給を上げ、民間バイトの1~2割高くする英断をした。フリーランスや無給医は、民間のバイトから大阪市のバイトに行くだろう。毎日50人の医師は、あっという間に埋まり、逆に民間の医療機関が人手不足になるかもしれない。
市立病院時代、大学から外来のバイトに来てもらっていた。大学医局から「バイト料を上げてくれないと、引き揚げる」と要求があった。市立病院のバイト料は民間医療機関に比べ、時給が3分の2と低かった。市に少しでもバイト料をあげるよう何度も交渉したが、1円も上がることはなかった。大学からの応援がなくなり、院長や内科主任部長は週5回毎日内科外来をすることになった。
前日の日曜日(5月16日)、広島県で開業している友人と電話で40分間話をした。
友人は「集団接種の時給は安く、ボランティアでやっている。医師会のほぼ全員が、個別接種に手を挙げた。ワクチン接種の講習会が、夜何回もあった。V-SYS(ワクチン配送・接種システム)が難しく、高齢の先生がたは個別接種を辞退された。V-SYSの不具合で、ワクチン接種が遅れている。インフルエンザと同じようにすれば、1日100万回接種は可能だ。
駐車場にプレハブを建ててワクチン接種をしている。プレハブを建てるのに、国から100万円の補助が出た。国から問診に関する分厚い冊子が来て、その通りやっていたら1人問診だけで30分かかる。問診はインフルエンザ並にしている。ワクチン接種後30分様子を見ているが、手持無沙汰のようだ。これまで1人も問題はなく、接種後の待機時間を短くしてもいいかもしれない」と言う。
新型コロナワクチン接種は、都市部では集団接種の方が効率よく、地方では医師会が頑張っているので個別接種の方がよさそうだ。今は有事の時だ。都市部の自治体は、ワクチン接種の時給を民間バイト時給より高くすれば、医師を確保できるだろう。