赤い列車の広島カープ号:芸備線庄原駅~
2021年8月20日午後8時、広島県庄原市に住んでいる庄原格致高校時代のクラスメートから、「JR芸備線の庄原ー新見間が廃線になろうとしている。JR西日本に芸備線存続を働きかけ、観光客誘致のため"赤い車体の広島カープ号"を走らせる計画をしている。広島カープの承諾を得ており、近畿庄原格致会でも協力してほしい」と電話がかかって来た。
芸備線の庄原ー新見間は、大学時代の春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休みに大阪から庄原市に帰省する時いつも利用していた。JR芸備線は、広島市と広島県北東部を結ぶ大動脈で、高校時代は同級生が使う通学列車として使われていた。
芸備線は、備後庄原駅から高、平子、備後西城、比婆山、道後山、小奴可、内名、備後八幡、備後東城駅へとつづく。道後山駅から東城駅間は渓谷を走り、内名駅は秘境駅とも呼ばれ観光客も来る。大阪から庄原への帰省時には、たまに猿の姿を見ることができた。
JR西日本は、2021年6月8日芸備線の東半分の75キロの運航の見直しを求めている。これに対し7月17日、赤羽一嘉国土交通大臣は利用低迷がつづくJR芸備線について「安易に廃線なんていうことはしないでくれ」と述べられ、JR西日本にクギを刺されている。
「芸備線にカープ号を走らす会」の
児玉節会長から、カープ号のイメージ写真と趣意書
表示、協賛申込書がメールで送られてきた。児玉君(メタボ教室第773段「庄原こどもミュージカル」)は、庄原格致高校のクラスメートだ。
趣意書には、「カープラッピングした車両に乗り込み、移り行く庄原の四季の美しさを感じる。カープファンのみならず、全国の鉄道ファンの心震える情景となることでしょう。みんなの力で地域経済を活性化し、観光産業を掘り起こそうではありませんか」と書かれていた。
関西から庄原市へ行くには、中国縦貫道の高速バスが便利で、庄原では広島カープ号に乗車し観光名所巡りをするとよい。春は桜の上野池、夏は鮎子さばしる西城川、秋は紅葉の帝釈峡、冬はスキーの道後山など、四季折々の観光を楽しむことができる。国立備北丘陵公園には西日本最大級のキャンプ場があり、冬はイルミネーションが綺麗だ。
1カ月前開催された東京オリンピック2020では、広島カープから森下暢仁(まさと)投手、栗林良吏(りょうじ)投手、菊池涼介内野手、鈴木誠也外野手の4選手が出場した。中でも森下投手は先発として、栗林投手は守護神として5試合全てに救援(2勝3セーブ)し、侍ジャパンの金メダル獲得に大きく貢献した。
自然豊かで、秘境の多い芸備線を走る「赤い列車の広島カープ号」は、全国のカープファンや鉄道ファンを集め、芸備線存続の切り札となるかもしれない。