コロナ禍のメンタル:ストレス解消法

2021年8月29日

    2021823日、本社で「安全衛生委員会」のテレビ会議があった。

午前10時、私は「デルタ株で新型コロナ感染者が増加し、821日の大阪の新規感染者は2556人、重症者は175人(重症病床使用率29.8%)、軽症・中等症者は1884人(病床使用率72.4%)、自宅療養者は13107人になっている。

デルタ株で4050歳代の重症者が増えている。商事では、ワクチン接種希望者全員が、1回目の接種を816日までに終了した。まだ予約していない人は、早めに予約して下さい」と発言した。

取締役から「メンタルで休職している人が増えている。メンタルとコロナは関係があるのか」と質問された。

私は「コロナとメンタルには、深い関係がある。先月(78日)、大阪府医師会館で、大阪市大の教授による"新型コロナとメンタルヘルス"の講演があり、"新型コロナで最も皺寄せがいっているのは、飲食業と宿泊業とコロナに携わる医療従事者だ。失業率が1%増加すると、2000人自死が増える。失業率の増加は5%と予想されているので、1万人の自死が増える可能性がある。

ストレスを解消するにはスポーツ、カラオケ、グルメ、飲み会、ライブ、旅行などあるが、どれもコロナ禍ではできない。ストレス解消は、友達と電話でコミュニケーションをとるか、家の近くを散歩するぐらいだ。コロナ禍で一番やってはいけないことは、コロナが終息したら遊びに行こうとか、旅行に行こうとか考え、頑張ることだ。コロナは繰り返し流行し、心が折れて燃え尽き症候群になる"と講演された」と答えた。

午後0時、大阪の街はコロナ第5波で淋しい。飲食店は半分以上閉じ、「緊急事態宣言のため、831日まで休業します」などの張り紙がある。カウンターにCO2センサーを備えている店が増え、食事をしている間に500から650780(正常1000以下)に上がる。

 

午後9時、コロナ病院の友人から「コロナで、大変だ」と電話がかかってきた。友人は「コロナ重症病床30床のうち28床が埋まり、2人がECMOをしている。CCU 6床とSCU 6床を3床ずつに減らしているが、さらに3床減らすことになり、CCUSCU併せて3床になる。心筋梗塞や脳卒中になっても、4人に1人しか救急入院できなくなる」と言う。

「抗体カクテル療法を、大阪ではうちを含め3つの病院が開始した。効果がありそうだが、問題はどれだけ確保できるかだ」、「日本は病床数が多いのに、医療が逼迫している。一番悪いのは〇〇〇だ」、「鼻から吸入するスプレー式コロナワクチンが開発中だ」、「指定感染症2類を5類にした時のメリットとデメリット」など話していたら40分が経っていた。

コロナ禍でメンタル疾患が増え、若い女性の自死が増えている。倉敷中央病院は、全国15のコロナ基幹病院867人の調査で、「医療従事者の24%が自分はバーンアウトの状態だと感じている」と報告している。

コロナ禍で最も悪いストレス解消法は、「コロナが終息したら遊ぼうなどと考え、頑張ること」で、心身が疲労し燃え尽きたように急に意欲を失う可能性がある。コロナ禍でのストレス解消法は、友人と電話でコミュニケーションをとり、自宅周辺を散歩するとよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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